『はぁ、はぁ…。』

気が付けば、無我夢中で走っていた。

普段、授業でしか運動をしないわたしは、軽く走っただけで、息切れをおこしてしまう。

少し、自分の体力の無さを恨んだ。

『休憩…』

何処かに休憩出来る場所が無いかと探していたら、少し先に古ぼけたアパートがあった。

─ねぇ、この街にふっる〜いアパートがあってさ、なんとそこに、幽霊が居るんだって!

友人の言葉を思い出す。

まぁ、わたしは幽霊等を全く信じていない。

休憩がしたい気持ちと、好奇心。

この二つが混ざり合って、わたしは少し駆け足でそのアパートに向かった。