よく考えてみたら、わたしはこの街の事を何も知らない。

あそこに行ったら、何があるんだろう?

ここを曲がれば、何があるんだろう?

わたしは、“知りたい”と言う欲求のままに、ただただ歩き続けた。

まるで、新しい玩具を買ったような気分だった。

好奇心。

それが、わたしの心を埋め尽くしていた。