「二人ともお疲れ様!これ飲み物!」

「柚菜ちゃんサンキュー!」

「ありがとう。」


結局勝ったのは橘くんだった。

途中で目があったのはほんっとドキドキしちゃったなぁ…。


「柚菜ちゃんって帰りどっち?」

「北駅だよ。」

「あ、俺らとおんなじかぁ!」

「そうだね。」

「じゃあ帰ろっか!」


橘くん、練習前からずっと不機嫌でどうしたのかなぁ…。


「あっ!俺更衣室に忘れ物!先行ってて!」


えっ…!?

ってことは橘くんと二人っきり…!?!?

急すぎるよぉ…。


「…」

「…」


そうだよね…。

やっぱり無言になっちゃうよね…。


「あのさ。」

「はい!!」

「智也が悪いな。」


えっ…。なんで橘くん謝ってるの…?


「いやぁ、智也がお前になれなれしくして。」

「あっ、全然!」

「それに…。」

「うん。」

「そのせいで俺、イライラしてた。」


えっ………。

中瀬くんが初対面なのに私と沢山話してたから
橘くんがイライラしてた…?

これって………、どういうこと…??

期待して………いいの?


「…あと、頑張れっての嬉しかった。」


…/////

顔が熱い。

橘くんずるいよぉ…。

ほんとに私勘違いしちゃうよ…。


「橘く「よかったー!追いついた!」


橘くんそれってどういう意味…?

って聞こうとした所で中瀬くんがやってきた。

ちょっぴり悔しくて、
でも思い違いだったら恥ずかしいからよかったのかも。


「柚菜ちゃん、明日も来るの?」

「行きたいです!」

「だったら俺も練習しようかなぁー!」


なんか中瀬くんってほんと人懐っこいっていうか壁がないなぁ。

中瀬くんとみたいに橘くんとももっと話したいよ…。


「俺明日用事あるから無理だわ。」

「りょーかい。」


はぁ…。

明日橘くん練習しないなら私も行くのやめようかな…。


「じゃあな明日柚菜ちゃんと二人っきりかよ!よっしゃ!」


うーん。困ったなぁ…。


「駅着いた、じゃあな。」

「またね、橘くん中瀬くん!」


明日の放課後行かないって言えずにバイバイしちゃったぁ…。

中瀬くんには悪いけど
橘くんのバスケが見たいなぁ。