「今、何かゆった?」

なるべく話したくない私は首を横に振る。

「ふぅーん、ならいいけど。」

すぐに前を向いた金口。

顔がシャープになってちょっと格好良くなったな。

女のコがキャーキャーゆうのも仕方ないか。

「何、見てんだよ。」

『べ、別に。』

「おれに、何かされると思ってんの?」

『(ギクッ!)』

「おれ、今自分がわからないんだ。昔の俺に戻りたくないんだ。でも、体が戻れって言うんだ。」

金口が、こんなことをわたしにいってくるなんて想定外過ぎて、頭が混乱する。

「ごめん、きにすんな。俺達は敵同士だ。」

『………もぅ、戻らないよ。昔の金口には戻らないと思う。』

「チッ。なんでそんなこと分かんだよ。」

『んー、想像?とゆうか、戻りたくないんだったら戻れないんじゃない?』

この時、わかった。

昔の金口とはちがう。

だから、金口の方を見て笑った。