でも、夢が怖い。
「……はぁ。」
あたしはため息をつき、ガタっと椅子から立ち上がった。
そして悠雅や生徒たちの前を通り、教室を出ようとする。
その時、もう一度だけ悠雅を見ると_____あたしと目が、あった。
……え?
鋭い視線で確実にあたしを見ている悠雅。
その顔はとても真剣で…。
目が、そらせない。
息が、できない。
「藍沢せんせー?」
でも、生徒の一人に声をかけられると直ぐにあたしから視線をそらし、笑顔を作る。
あたしもハッと正気に戻り、大きく息を吸う。
そして悠雅たちに背を向け、足早に教室を去った。


