「じゃ、ちょっと時間取るな。」
……携帯忘れてそんなに焦るって、彼女と連絡が取れないから?
あたしが先生に体を密着していること、全然意識されてないし。
腹立つ。
相手にされない方がゲームは楽しいけど……彼女を優先されるのは大っ嫌い。
車を発進させようとする先生に声をかける。
「悠雅?」
すると先生はバッとあたしの方を向いて。
「……何で呼び捨てなんだよ。」
そう言った。
「悠雅って呼べばあたしに気づいてくれるかなぁー?って。」
そしてあたしは先生の唇にそっと自分の人差し指を当てる。
「あたしのこと、ちゃんと意識ぐらいしてね?」
そしてニコッと笑ってその人差し指を自分の唇に当てた。


