【潤也】

教室に着くと、カラオケ集合と黒板にでっかく書いてあったので、姫とふたりで向かった。

俺たちがカラオケにつくと、すでに何人かいて、歌っていた。

アミは、さっきの電話を聞かれていたなんて知らないから、今までどおり、オレや姫に接してくる。

姫は、一応笑っているけど、実際はどうなんだろうか・・

30分くらいすると、声を掛けたメンバーが全員集まったらしく、改めての乾杯をした。

でも、やっぱり、オレはこのメンバーでは疎外感を感じてしまう。

って、当たり前なんだよな・・オレ、姫がいるからここに来てんだよな・・

オレの隣では、アミと知らない女がやたらつめて座ってきてなんかゴチャゴチャ喋ってるけど、全く耳に入ってこない。

仕事柄、化粧と香水の濃いタイプはオレの周りに大量発生しているけど、全く慣れないし、嫌悪感しか生まれない

そんなオレに気がついたのか、やっちゃんが声を掛けてくれた

隣の声は聞こえてこないのに、自分にとって都合のいい声はちゃんと耳にはいるんだから、オレの耳って良く出来てるよな・・・

「潤く~ん! ちょっとこっち来て~」

いつもならでかすぎて、むかつくやっちゃんの声も気にならない

いつもと変わらない姫の様子を見て、

「姫ちゃんって本当に強いんだね」 

なんてやっちゃんは感心してる

オレも、姫花はさっきの事なんか気にしてないんじゃないかって思うもんな。

しばらく、やっちゃんとふたりでボーっと姫花の観察をしていた

そこへ鳴ったオレの携帯・・・

オレのクラスメイトであり、モデルの後輩からの電話だった

「着いたって?」とやっちゃん

「あぁ、ちょっと迎えに行ってくるわ」とオレは席を外した