梅雨が明けた途端の猛暑の毎日にうんざりしていた

最近は、アミ、やっちゃん、香ちゃんもAQUAに集まるようになっていた

りんや、龍馬達も【姫の友達は、いつでも大歓迎】って快く受け入れてくれている

流石に、地下のプライベートルームの暗証番号と指紋の登録はさせてはいないけど、それでも、自分の友達が仲良くなるのは嬉しい

終業式を終え、午前中で終わった後、姫花はクラスメイト数人とカラオケに行く事になっていた。

「ねぇ、姫~ 今日のカラオケ、潤たちも呼ぼうよ~」とアミ

「潤も?なんで?今日はクラスの打ち上げじゃなかった?」

「賢次くんとか龍馬くんとかでもいいよ! あっ、でも、大吾くんが来ると咲とイチャつきすぎてムカつくから呼ばないでね!」とニコニコのアミ

「ん~」と姫花がしぶっていると

「いいじゃん! 姫だけの友達じゃないんだからさ~ 独占しすぎぃ~」
と視線が怖い・・

「わかったよ。 ちょっと電話してくるね」
とアミの迫力に負け、みんなに電話を掛ける為に教室から出た

着信履歴から、まず賢次の携帯を鳴らす

電話口からは流れるメロディー

賢次が一番好きな歌だ・・ そのまま、留守電につながったので、切った

次に龍馬に掛けたら、なぜか大吾が出たので、今は仕事中と判断し、適当に話して切った

最後に潤也に掛けたら、写真撮影で1ヶ月も休んだので、流石に夏休みに数日の補修を受けないとならないらしく、学校に来ているという。
それなら、話が早いので、カラオケの件を話し、教室まで来てくれる事になった

潤也が捕まったので安心して、みんなの待つ教室に戻ろうと廊下を歩いていたら、空き教室から話し声が聞こえた

聞くつもりはなかったが、姫花の知っている声だったので、なんとなく、立ち止まってしまう

少しだけ開いているドアの隙間から教室を見ると、後姿の女の子が携帯を耳に当てている

「そう、そう・・・チョロイのよ~」

「そうなの~ あの女、ちょっと友達のフリしたらさぁ~」

「今日のカラオケもさ~ お前は来なくていいのを気がつかねぇの 本当、大倉姫花ってバカだよねぇ~ 世間知らずのお姫様そのものだよ!」