ツカツカ・・と無言で講堂に入っていった大吾

一言も発せず、咲ちゃんの数歩後ろで止まった

「だっ大吾さん!!!! なんで、こちらに?」

「あんた誰?」

後姿の大吾の表情は読み取れないものの、冷め切った威圧的な話し方に驚いた

「えっ・・・・・」

ブラウン管の中のアイドルの大吾と、姫花といる大吾しか知らないので、咲を取り囲んでいた生徒達は姫花以上に驚いていた

「咲ちゃん、大丈夫? こっちにおいで・・・・」と大吾は咲ちゃんの手首をとり、自分の後ろに隠すように引っ張った

「っていうか、慣れ慣れしく俺の名前口にしないでくれない?  俺あんた達のことしらねぇし、気安く呼ばれたくねぇんだけど? 俺が誰といようがあんた達に関係ないっしょ? 姫花だってそう。こういう勘違いな行動マジ勘弁なんだけど?」


「だっ大吾さん! こんな女のどこが!!!」

「君、咲ちゃんの元カレだっけ? こんないい女、そうそういないよ? 逃がした魚はでかかったんじゃない? ね♪咲ちゃん♪♪」と言い、大吾は後ろにいる咲の方を向き、かがむようにして、キスをした

「キャー!!!」

行動に響く、女生徒の叫び声

「ごちそうさま♪」と大吾は咲に笑いかけた

姫花は一連の大吾の行動をあっけにとられて見ていた

っていうか・・・大吾ってあんなキャラだったっけ?