まず、私は咲ちゃんに話しかけたんだ

最初からこうやって自分から話しかければ、良かったんだよね!

「こんにちは。ココ座ってもいいかな?」

一瞬驚いた表情の咲ちゃんだったけど「どうぞ」ってイスを引いてくれたんだ

「同じクラスだよね? 私、大倉姫花っていうの。 よろしくね」

「知ってるよ。 大倉さん、すっごく有名だもん。 私は藤田 咲。 こちらこそよろしく」

「大倉さん? あっ! 私のことか!? あんまり苗字で呼ばれたことないから、反応するのに時間かかるわ・・ イヤじゃなかったら、姫でいいよ?」

「そう? じゃあ姫ちゃんって呼ばせてもらう。 私も咲でいいよ」

「あははっ! じゃあ私も咲ちゃんで!」

こうして私達は、友達になったんだ。

急に仲良くなった私達に、クラスメイト達は驚いていたけど、そんな好奇の視線は気にならなかった。

そして、もうひとつ・・・・

計算どおりに動いてくれたヤツがいる

移動教室で、咲ちゃんと二人で歩いていると

「こんにちは! 大倉さん」って声を掛けてきた男! 

そう! 石田泰彦!!!

石田の登場に、体を強張らせ俯く咲ちゃん

「こんにちは」と咲ちゃんを気にしつつも笑顔の私

「大倉さん、オレの事気にしてくれてるんだって?」

「えっ! なんで!?」

「教室まで来てくれたんだって?」

「・・・・・・」

「なんか、嬉しいなぁ・・・ 大倉さん、すっげーかわいくて、高嶺の花だって思ってたのにさあ・・・」

オイオイ・・・石田・・・話勝手に進めんな・・・って思っていると

「っていうかさぁ・・大倉さんのお友達がなんでお前なわけ?」と咲ちゃんを見下ろす石田

さらに俯く咲ちゃん

「大倉さん、こいつ面白くねぇ上に 簡単な女なんすよ? 大倉さん、こいつとかすっげー面白くてノリがいいんすよ」と側にいた派手な女の子の腕を引っ張った

おっつ! なんて好都合! 講堂にいた女じゃん!