「あれ?・・・・」

「ちょっと・・潤也! 何??? 指名って?」

「あ~ 俺そんなこと言った?」

「言った!」

一気に立場逆転で潤也の目を見る姫花

「あーっと! 怒んなよ?」と言い、しぶしぶ話し出した

「俺が姫花と仕事したかったの。 雑誌の表紙とかでもよかったんだけどさ・・ 姫花って事務所とかまだ入ってないし、とりあいず、理事長に相談に行ったら、逆にこの仕事のオファーもらったんだよね。姫花の初仕事だし、スゲー嬉しかった。それなのにさっきのお前ってあんなんじゃん。 正直がっかりした。 お前のこと買いかぶりすぎてたかも・・・ 」

「どういう意味?」

「そのままの意味?」

「ムカツク! もういいわ! 見てなさい!!」

といい姫花はドスドスとその場を後にした

潤也はその後姿を見て、思わず笑みがこぼれた

そして、姫花から少し遅れてスタジオに戻った。

潤也がスタジオに戻ると、すでに姫花が待っていた

「潤也~ いつまで休憩してるんだ! 早くスタンバイしろ!!」と監督にどやされカメラの前に立った

そこにいたのは、さっきまでの姫花ではなく、ましてや、潤也が知っている姫花でもなかった

「はい、本番いきます!!」

潤也を見る姫花の視線、

ガムをくわえる潤んだ唇

潤也は理性がふっとびそうになるのを必死で押さえた

「はい! OK!!!」

カメラチェックに入る

「休憩後の姫花ちゃん、まるで別人!! 初仕事の素人とは思えないよ~ 最高!!」と監督からの絶賛

「そんな・・・ありがとうございます!!」

そう、そこにいたのは、女優という、もう一人の姫花だった