見詰め合う二人、姫花の背中越しに映る潤也

姫花の顔に迫っていく潤也・・・姫花の口にくわえられているタブレットのガム

姫花の唇を見つめる潤也、唇を?ガムを?というところで潤也の後姿になる

という感じ

「ムリ! 潤也とそんなに顔近づけられない!!!」

「別に本当にキスするわけじゃねぇし、気にすんなって! チャッチャとやんねぇとおわんねぇぞ?」

「はぁ・・・」

「ったく、何回目のため息だよ? 相手が知らない男よりいいだろ?」

「・・・・」

周りの状況の変化についていけない自分がいた。

「監督~ すいませ~ん! ちょっと休憩いいっすか?」

潤也が監督に向かって手を上げた

「あ? そうだな。ちょっと休憩するか?」

その言葉を聞き、「ちょっと来い!」と姫花の手首を掴み、外へ連れ出した

潤也に引っ張られる形になって、抵抗するわけでもない姫花

人気のない部屋、どこかで見たことのあるようなセットらしきものに囲まれた空間

「お前さ、いいかげんにしろよ? 遊びじゃねぇんだよ! オレは、この仕事に賭けてんの! お前は自らの意思でこの場にいるわけじゃないのもわかるけど、お前だって、ちゃんとやらなきゃ、退学なんだろ?ウジウジしててらしくねぇんだよ! 姫花ってそんなんだったっけ?」

潤也からの思いがけない厳しい言葉に思わず伏せていた顔を上げた

ぶっちゃけ、カチンときたけど、そんなのお構いなしに潤也の口は止まらない

「仕方なくここにいますみたいな空気かもしだしてんのわかってる? スタジオの空気重くしてるのお前だよ。姫花ってもっとスジのある女だと思ってた。だから、仕事も指名したのに・・・」


「は?」

「え?」

「指名って・・・」