トン、トン

重厚な扉の前には姫花

「どうぞ…」

姫花は、ノブをまわし、扉を開けた

「待っていたわよ  どうぞ掛けて」

姫花が来ることは、わかっていたような理事長

姫花は言われた通りに、ソファーに腰掛けた

「あの…」

姫花は理事長の目を見て話し出した

「あの…

自分なりに考えました
4月から…芸能科にうつりたいと思ってます
事務所は、昔所属していた所にそのまま名前は残ってますので…」

理事長は表情をかえずに、姫花の話を聞いている

「… 今回の写真集で、色々考えました 今まで、自分が必死に貫こうとしていた物ってなんなのか…
時に、自分の意思を通すのも大切です
でも、同時に 周りの意見に従う…
そういう選択もあるんじゃないかって・・・思いました
それに、仕事をしている友人達をみて、彼等がこんなに夢中になっている世界に興味が沸きました
今までも見てはきてるんですが、表面的なものしか目に入ってなかったみたいです。」

姫花は自分の気持ちを一気に話した