「ヒナのタキシード、すっごい似合ってる」

「姫こそ…なぁ…このまま二人で抜けない?」

会場の隅でイチャイチャするバカップル…

「ガクさん…あれ、いいんすか?」

とそんなふたりに冷めた視線を送るのは龍馬

「あんなん普通…家じゃあ目もあてらんねぇの」

と頭を抱えるガク

日向と姫花はガクがいようがいまいが、お構い無しなのだ

「ガクちゃん、かわいい妹をとられて寂しいの?ヨシヨシ…」

とガクの頭を撫でるのはりん

そんなことが出来ちゃうりんに驚く、潤也、龍馬、大吾、賢次の4人

「ガクさんは、りんちゃんの弟みたいですねぇ~」とひとりのほほんとしている咲

咲は、潤也たちがどれほどガクに憧れているかなんて、知らない

「りん~」いつまでも撫でるりんの手をつかむガク

「あら?機嫌直った?」と笑うりん

「ったく…それより、一曲いかがですか?」

「よろこんで♪」

とガクとりんはホール中央へ消えていった

「絵になるカップル…」と龍馬はそんなふたりの華麗なステップを見ていた

「それはそうと…この後にお楽しみがあるんだって?」

とガク達から視線を外さずに賢次が言った

「らしいな…詳しいことは聞いてねぇけど…」と潤也

「おっ!始まるね!」と龍馬は皆から壁へ視線をうつした

そう、彼らは他の生徒のように、出会いを求めてプロムに来たわけでも、ダンスをしに来たわけでもなく、今から始まるイベントを見にプロムに参加していたのだった…