年末、年始の忙しい時期を乗り切り、早くもカレンダーを1枚めくり、2月に入った

クリスマスだけでなくとも、イルミネーションで街中はにぎやかだ

エリーでのバイトを終え、姫花と咲はチョコレートショップへ足を進めていた

ベルギー王室御用達のそのお店は、チョコを求める女性たちでごった返していた

「ねぇ・・なんか凄く高そうなんだけど大丈夫かな?」

店内にあるガラスケースには、様々なチョコがまるで宝石のように並べられている

それぞれ1つずつしか置いてなく、注文したものを裏の厨房でラッピングして持ってきてくれるシステムらしい・・

「いくら高くたって、結局はチョコレートだよ!」

と姫花は笑ったが、ガラスケースに入ってるチョコ達に値段がついていないのがとっても気になる

「いままでは、冷凍で空輸してもらってたんだけど、やっとこっちにも店舗だしてもらえて、こうしてフレッシュなものを買えるんだもん! せっかくだから、買ったら、そこのカフェで休んでいこう? ホットチョコが絶品なの!」

そう、姫花はこのお店のチョコが大のお気に入りで、バレンタインに関わらず、お取り寄せしていたのだ

姫花が咲に興奮して話していると、厨房からかなり貫禄のある男性が顔を出した

「やっぱり、姫か!」とその男性は姫花に近づき、HUGをした

「ルーカス! 来ていたの! 久しぶり! 元気だった!」

「あぁ・・見てのとおりだよ! ここは、姫の為にオープンしたんだよ! いつも僕のハニー達を愛してくれてありがとう」

ルーカスは自分が生み出したチョコレートの事をハニーと呼ぶ

「ただ、空輸するのが面倒だったんじゃないの?」と姫花は笑った

「アハハハハッ! バレたか~」

と笑ったルーカスは姫花の隣で固まる咲に視線を落とした