酔いつぶれて、龍馬と潤也は、勝手にソファに寝ていたし、賢次は相変わらず、アリを相手にカウンターで飲んでいたし、咲と大吾はさっきタクって帰ったし、りんと姫花は少し離れたテーブルで話し込んでいた

「なぁ・・なんか悪いな・・」日向が伏し目がちに言った

「なにが?」そんな日向を見もしないガク

「いや・・怒ってんの?」

「怒ってる・・・」

「やっぱり・・・」

「家に入るとき、姫花にだけは手出すなっつったよな?」

「聞いた・・・ でも、まだ手出してねぇし!!」

「まだって・・・」と呆れ顔のガク

「その事なんだけど、出るわ。お前んトコ」

「・・・・・・」

「彼女ん家に居候ってさ・・・我慢できなくなるかもしれねぇし、やっぱ、ケジメつけたいし」

「お前らしいわ・・・・」とガクは笑った

「デートとか待ち合わせとかしたいじゃん」と日向も笑った

「キモッ・・・っていうか、多分お前がウチ出るっつったら、俺が姫から悪者にされる」

「は?」

「姫はもう、お前の事に関して、何を言っても俺が悪者になる」

「なんで?」

「お前に堕ちたから・・・」

「堕ちたって・・・」

「だから、出なくていい」

「は?」

「姫に恨まれるのだけは、ゴメンだ!」

「弱ぇ~兄ちゃんだな」と日向は笑った