「えっ!!」

「アハハッ 冗談だって!! 焦りすぎ~」

ちょっと本気だったけど、焦る姫ちゃんを見て、とっさに切り替えた日向

「・・・・」

「姫ちゃん?」

いつもなら、ちょっとふくれながら日向の肩や背中を叩く姫花が無反応なので、日向は思わず姫花の顔を覗き込んだ

「・・・もしかして、マジで俺?」

うなずくだけの姫花

この展開に日向は覚悟を決めた

「俺って・・・親いねぇんだわ。 ガキん時って今もまだ十分ガキなんだけど、事故で死んだ。 兄妹は元々いねぇし、親戚とかもしらねぇ・・ 」

日向はココで一旦、話を止め、姫花の顔を見た

初めて聞いた日向身の上話に、思わず目を見開く姫花

日向はそんな姫花に向き合い、手を取り、また話し出した

「だから、愛情とかってわかんないのが本音
昔から、人らしくない、マリオネットだって言われてた。喜怒哀楽っていう感情を持ち合わせてなかったから・・ 自分以外の人間を信用してねぇのが本来の俺・・ それでも、ガクに会って、世の中敵ばかりじゃないって知った」

さらに話を続けようとする日向の言葉を姫花が遮った

「親が最初に子ども送る愛情は、命そして名前・・日向さんは今ココに生きているというだけで愛情を知っている
喜怒哀楽っていう感情を持ち合わせていないんじゃない、逆にそれに過敏に反応しているから表に出せなかっただけ・・
他人を信用してないのは、周りが日向さんに心を開かずに接してきたから、アニキは日向さんに心を開いて接してきたから、信用できた・・ 」

姫花の言葉に日向は顔を上げることが出来なくなった

「俺・・・姫ちゃんの事一生手放せなくなりそう・・・」

「じゃあ、手放さないでください」

姫花と日向はしばらくお互いの手を握り合っていた