いつものセキュリティーを解除し、二人は地下の部屋へ降りた

「姫じゃん! 日向とふたり!?」

アリもこのツーショットに驚きの色を隠せない

日向が大倉家に居候しているのはガクから聞いて知ってはいたが、姫とふたりで出歩くまで親しくなっているなんて思いもよらなかったし、姫がアニキとあの4人以外の異性と二人でいるなんて、5年ほどの付き合いになるアリも久しぶりに見たから・・

「珍しい組み合わせだね?」アリは思ったことをそのまま口にした

「そう?」そう言われる事が意外な姫花

「そう見えますか? 俺等にしたら、ごく自然なんですけど?」

とちょっとキツイ言い方になってしまった日向

「俺ら?」日向の言葉に顔をしかめるアリ

「そうだよ、アリ! なんでそんな言い方するの?」

アリは、姫花の過去の恋愛を側で見ていたうちの一人で、急にヒョッコリ現れたこの男が姫花の隣にいるのが納得いかなかった

姫花の隣には、賢次か潤也のどちらかが座るんだろう・・と思っていたから・・・

「ごめん、ごめん・・ 悪気があったわけじゃないんだ」とアリはあわてて訂正した

そんなアリの心情を知ってか知らずか、日向はアリから目を離さなかった

「で、ふたりは何を飲む?」と日向の視線が痛いアリは話題を変えた

「ん~ どうしようか?」

「シーフードだから、白がいいかなって・・ベタだけど思うけど、俺は、最初はビールでいいかな」

「じゃあ、私もそうする」

「かしこまりました」とアリは笑って、二人の前を後にした。