「あれから・・・大丈夫だったか?」潤也は、遠慮がちに喋り出した

「うん・・ちゃんとお礼言ってなかったよね? ありがとね」と姫花は潤也を見た

「あ・・いや・・でも、何事もなくて良かったよ」

潤也は、姫花からの視線を感じながらも前しか見れなかった。

「アニキも結構家にいるし、いないときには、日向さんが一緒にいてくれるんだ。 だから一人になることが極力なくって・・」とはにかむ姫花

「日向さんって?」俺は聞いたことがない名前だった・・

本当は会ったことがあるのに、ド忘れしていたんだ・・・

「あ~アニキの友達で、バイオリニストなの。いつもは、海外で活動してるんだけど、しばらくはこっちにいるみたいで、家に居候してんの。アニキの友達にしては珍しいよね~バイオリンだよ~ そんで、バラが好きみたい・・」と笑う姫花

「へ~・・ 一緒に住んでるんだ? でも、がっくんの友達にバイオリニストがいるなんて、すっげ~意外」と俺も姫花と一緒に笑った

「バイオリニストなんて、どんなかとも思ったんだけど、結構気さくな感じで話しやすいいい人だよ。でも、バイオリンを弾いてるとこはまだ見たことないんだけどね!」

姫花はしばらくその「ひなた」って人について話してくれたけど、その話を聞く限り結構いい人なんだって思った。 

がっくんが姫花に変な人間を近づけることなんてないんだろうけど・・

それから、カキ氷を食べて、ささやかながら打ち上げ花火を見て、宿に戻ってきた。

俺は、女好きながっくんのそーいう関係の女の一人が「日向さん」だと思っていたんだ。

まさか、男だって思っていなかったんだよ・・

だって、「ひなた」なんて女の名前でもあるでしょ?