入学式から1ヶ月が経った


俺はまともに学校には行けてない

毎日仕事が入っていて、学校というプライベートな時間が取れてない

姫花が普通科に通っている

本人はあの空間で自分が浮いている事にまったく気がついていない

芸能科という、周りは芸能人だらけの花のあるような空間でも一際目立っていた事を気づいていないんだから・・・

それに、入学式の後のクラス男共・・

あんなんじゃあ姫花に同姓の友達が出来るとは到底思えない

それに、俺の目の届かない所に置いておきたくない・・・

とりあいずは、芸能科に移させなくては・・・

スタジオで一人で考え込んでいると、次の撮影なのか、龍馬と大吾がやってきた

「潤ちゃーん! ひっさしぶり~」
と大吾が潤也の隣のソファーにドカッと腰を下ろした

「うわっ! マジでビビるし・・・」

「何? 潤也でもビビんの?」と向かい合いように座る龍馬

「何?何? なんか考え事~」と大吾は潤也の方を向いた

「別に・・・・」

「どうせ、姫花のことだろ? 潤也の頭の中はそればっかだもんな」と龍馬はテーブルにおいてあるお茶に手を伸ばした

「・・・・・・・ なぁ、どうすれば普通科からこっちの科にくると思う?」

「「・・・・・・・」」

何も答えない二人

「おい!聞いてんの?」と真剣な面持ちの潤也を見るなり、大爆笑のふたり

「お前、そんな事で悩んでんの?」

「ヤバイ!ヤバイ!! 超ウケんだけど!!!」と涙まで流して笑う大吾

「はぁ!! お前らマジムカツク!!!!」

「あー面白かった!!」と涙をぬぐう大吾

「んだよッ!!!」と本気で起こった様子の潤也