「なにかあったんだね」

「・・・・・・」

答えない俺に

「そっか・・ 何があったかは、潤也からじゃなくって、姫花本人から聞くことにする」とりんは笑った

お前のこういうスジの通ったとこ、尊敬してるんだぞ~ なんて一生口に出すことはねぇけどな

「潤、そろそろ仕事モードね」とりん

りんは、ONとOFFをきっちり分けてくる

仕事中に俺の事を「潤也」なんて絶対呼ばない

仕事中の俺は「JUN」 それをちゃんと嗅ぎ分けるりんはやっぱり凄い

でも、この勝気な性格が災いしてか、(姫花には負けるけど)完璧すぎな容姿にオスが怖気づくのか、りんに彼氏はいない

好きな人がいます!なんてキャラでもねぇ・・

もし、姫花と出会っていないければ、りんに惚れたんだろうか・・

なんて、考えていたら、撮影が始まった

りんを女と意識したからか、やけに俺が色っぽい写真が撮れた

でも、やっぱり、俺が女として隣にいて欲しいのは姫花であって欲しい

最初、姫花に近づいたのはただの興味本位だった

ノンフレームのメガネをかけた男がいつも姫花の近くに張り付いていた

そのうち、第一印象がやたら色気のある女だな~っていうりんが一緒にいるようになって、きがつくと、アイドルの龍馬と大吾もそこに加わっていた

その5人の中心で笑っているのが、芸能科なのに、芸能活動を全くしていない姫花だった

確かに、姫花の笑顔はかわいい、たまにみせるふとした表情がたまらなく色っぽい・・

でも、なんでコイツなのか・・大倉姫花って女を知りたいと思って、俺はコイツらとつるむようになったんだっけ・・

でも、今ならわかる。

姫花の笑顔がかわいいとか、たまにみせるふとした表情がたまらなく色っぽい・・なんていつも見ていたから気づいたって事


結局俺も姫花にとっくに心を持ってかれてたってこと

そんなことを考えながら、姫花の家に足を向けた