【潤也】

夏休みに入って、10日が過ぎた

あの日は、結局徹底的にエサまきに徹し、家に帰ってきたのは空がしらみ始めた頃だった。

あれから、また仕事が忙しく、姫どころか、龍馬や賢次にも会っていない

そして、今日も雑誌の撮影で俺はスタジオに入った

「おはようごさいま~す。 よろしくお願いしま~す」と腰は低めが世渡りのコツ!

「潤~ 久しぶり~」 声の主はりんだった

「お~! 何? お前もココ?」久しぶりにりんに会ったな

「そうだよ~ 私と表紙撮影だよん! っていうか最近さらに忙しくなって、AQUAにも行けてないらしいじゃん!」

「そうなんだよな~ 8月最終週の恒例旅行の日程空けるために今仕事キツキツでいれてんの」と俺はりんの隣に座った

「私もだよ~ たった3日空けるだけなんだけどね~ 龍馬たちは旅行前日まで、夏のツアーで全国行脚らしいし、賢次はガクアニキとテレビでロシアらしいよ~」

「へぇ~ みんな売れてんなぁ・・ 全国行脚なんて、大吾の奴、咲ちゃんに会えなくて干からびてんじゃねぇの?」

「それがね~ 咲ちゃん、夏休みの間、アメリカへホームステイに行くらしいよ。 だから仕事なくても、結局は会えないみたいだから気がまぎれていいみたい」

へぇ~ あの咲ちゃんがホームステイ? そんな積極的な子だったっんだ~ なんてのんきに考えた俺はふとあることに気がついた・・・

ん? 姫花は?

「なぁ、姫は? 元気してんの?」と姫花の親友であり、心友でもあるりんに聞いてみた

「姫ね~ 最近連絡取ってないの。 私が、連絡できる時間って12時回ってるからさ~ かといって、姫は仕事の邪魔しちゃだめとか律儀だから、連絡くれないのよね~」
というりんはちょっと寂しそう・・

「夏休みに入ってすぐの頃、姫になんか聞いてない?」

「なにを?」

「いや・・・」そこで俺は言葉を濁す・・