そんな男の子を連れてきたもんだから、他の女の子達は、かなり興奮しているみたい。

部屋に入ってきた男の子のうちのひとりが私の前で止まった

「姫、久しぶり♪」と腰をかがめて頬に「CHU/CHU」と音を立てる挨拶のキスをした

顔を良く見ると、中学のクラスメイトの壱だった

「あ~ 壱かぁ! びっくりした~ っていうか久しぶり! 元気だった?」

「あぁ 姫も元気そうだね! 教室に姫がいないと華やかさにかけるから、早く僕らの元に戻っておいでよ!」

「相変わらずのセリフだねえ~ って、ブレンダは元気?」と壱の彼女でエジプト在住のブレンダさんの話題にそっとしてみる。

ブレンダさんとは、中学の時2,3回会った事がある。壱にはもったいないくらいのすっごい性格がいい女の子。 エキゾチックな顔立ちで、とっても綺麗なんだ。世界三代美女のひとりがエジプトのクレオパトラってのも納得するくらい。

「元気だよ~ 年末にまた日本にくるから、そしたら遊んでやってよ! あいつも喜ぶ」

「是非!」

しばらく会話して、壱は、潤也たちのところへ戻っていった

それまで黙っていたやっちゃんが急に

「なんかさ、姫ちゃんや潤君とこうして普通に遊んでるけど、連れてる友達とかみると、次元が違うって思うよな・・・」ってつぶやいた

「次元って何?」

「え?」

「次元が違うとか、世界が違うとかさ・・ もういいかげんにうんざりなんだよね。私たちって、男と女の違いはあれども、お腹を切れば、同じ作りだし、同じ空気を吸って、同じ時間を生きてるんだよ?だから、そんな寂しいこと言わないでよ」

昔からそうだった

芸能っていう特殊な仕事をしていると、住む世界は違うとかって何度言われたことか・・

そういわれたくなくて、普通科に入ったのに・・・

「姫ちゃんの考え方っていいね。みんなが姫ちゃんのこと大好きなのも納得だよね。俺、姫ちゃんと友達になれてよかったよ。これからもよろしくな!」とやっちゃんは右手を差し出してきた

「こちらこそ・・」と私はその手を握って、ブンブンと握手した