桜の花びらが、目の前を通り過ぎた



暖かい風に吹かれて



そして、私は一本の桜の木を見つめた…



高く 大きく



「あの……」



ふと、声をかけられた



その方へ体を向かせる



「これ、落ちてますよ」


そう言うと彼は何もなかったかのように
さっきまで、私が見つめていた桜の木を見つめた



「………あの。」



「ん?」



「名前は?……」



「篠原 晴斗」シノハラ ハルト


ニコッと微笑んだ君に私はドキッ…心臓が跳ねたようだった



「あんたは?名前」



「七瀬美桜」ナナセ ミオウ



「美桜………かわいー名前」



「え、」



「ん?どした?wてかどこの中学?」



「お、王蘭中学校」


「お!一緒じゃん」


……なんでたろう、晴斗君と同じ中学が嫌なんじゃないけど、すごい嬉しさがこみ上げてきた