薄塩味の恋愛







出席番号の関係で春野くんは私ちょうど後ろの席になる






入学式の時にたまたま後ろ向いたらこんなイケメンがいたからそれから叶わぬ恋心を抱いてるんだよね






「鈴木さん」







睡魔で私の瞼が落ちそうになっている時ふいに声がかかった





この声は間違いなくプリンス




数少ないチャンスをものにしてやると気合いを入れた容姿と上目遣い、さらに猫なで声を駆使し落としにかかる







まぁ女なんてターゲットには意識せずともぶりぶりしてしまうものだよ






『なになに〜?なんかあったの?春野くん』





やっべちょっとやりすぎたかも自分キッモ






正月にみたテレビで語尾に相手の名前を呼ぶと印象がいいとかやってたから春野くんとか呼んでしまったけどやはり美保と居る時と自分が全然違いすぎてキッモ







「鈴木さんは冬休みどこか行ったりした?」





春野くんは私の猫なで声を気にする様子など微量もない







まぁ周りの女子みんなこんな声してるもんな






『そういえばネズミーシーに行ったかな』





さっきのでぶりっこはこりたのでもう自分を全面に押し出していくことにした




攻撃対象相手との会話にしてはちょっと無愛想だったかもしれない






『ネズミーシー?僕も行ったんだ!』






いい感じに食いついてくれるじゃないか春野くん






『あ、ほんとに?なんか雪でライジングが止まっちゃっててさ…』







「あ、それ僕も行った時とまってた」






あ、まじ?といって会話を続けようとすると教頭の声が鳴り響く






どうやら始業式が始まるみたいだ






プリンスと苦笑いしながらまたね、と言って前を向く








プリンスの苦笑いゲットだぜ、むふ

なんて考えながらにやけていたらその姿を美保に見られていたらしくあとできもいきもいと私の顔面を全面否定されてしまった