ねぇ、先生。


「それ何枚あるの?」

あたしの手の中の画用紙を指差して言った先生は少し苦笑いで。

あぁ、やっぱり多いか。

なんて思って、少し笑った。

さすがにのんびりした先生でも、10枚は多いんだな。


「10枚です。文化祭の前日までに仕上げればいいって、中村さんが」

「2人で10枚って、キツイね」

「毎年、お化け屋敷やるクラスのポスター凄いんですよ?クオリティ高いって言うか…」


お化け屋敷をやりたいと言ったクラスはやっぱりたくさんあったみたいで、クジになったらしい。

その中で当たりクジを引いたシロはすごく強運だよね。

おかげでうちのクラスはお化け屋敷をすることができるんだし。


「プレッシャーだね」

あたしの手の中の画用紙を受け取ると、いつもみたいにふにゃんと笑った。

「ポスターって結構大事だと思わない?」