シロのことは友達として好きだけど、今日みたいなシロは嫌いだ。
ほんとは何もかも見透かされてる気がして、ドキドキしてた。
シロはあたしの気持ちに気づいてるんじゃないかって。
…そんなこと、ないと思うけど。
―ガラ…
あたしがドアを開けると、ちょうど先生も美術準備室から出てきた。
手にはマジックや色鉛筆が入った箱を抱えて、前が見えてないみたい。
「…先生」
「ん、咲良さん?」
そんなに持ってこなくたっていいのに。
ポスター書くだけなんだから。
「先生、そんなに使わないですよ?」
「咲良さんがどれ使うか分かんないから、全部出してみた」
ほら、なんて指差す先にはカラフルなペンと色鉛筆がたくさんある。
やっぱり、少し天然だよこの人。



