ねぇ、先生。


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―――――――…

「うそ、こんなに?」

「各クラス10枚ずつって決まってんだよ。文化祭前日までに仕上げろ。」

「中村さん鬼だね」

「何も1人でやれって言ってねぇだろ?篠原先生がいんだから、大丈夫だって。」

行け、とドアの方を指差す中村さん。

見て分かるくらい忙しそうな中村さんをこれ以上責めるのは申し訳ない。


「咲良、終わったら教室の小物作りも手伝ってやって。」

「…仕方ないなー」

「文化祭終わったらジュース奢ってやる」

「約束だからね」

中村さんの頼みなら仕方ない。

今日だけでポスターが書き終わることはないから、終わったら手伝う。

中村さんから貰った画用紙を両手に抱えて、篠原先生がいる美術室に向かった。