今日はずっと様子がおかしかったし、俺に言わないとこをみるときっと蓮くん絡みのことで悩んでたんだろう。

聞いてやりたいけど、咲良が自分から話すまで待とうと思ってた。

だけど帰ってきた咲良は目を赤く腫らしてて、それをごまかそうと必死に俺から目をそらしてた。


「…咲良」

「…もうシロ帰っちゃったかと思った」

何で泣いてんの。

お前蓮くんのとこに言ったんだろ?久しぶりに2人きりになれたんじゃねぇの?

…何でそんな、辛そうなんだよ。


「咲良、お前…」

「先生にね、先生に…」

目に涙を浮かべたまま言った言葉に、一瞬頭が真っ白になった。

「別れようって言われちゃった」

…何だ、それ。


「…冗談だろ」

俺の言葉に咲良は静かに首を横に振った。

「何で…」

「…先生ね、ここの学校でまだ教師続けたいんだって」

嘘だ。あの人がそんな理由で咲良のことを手放したりするわけない。