ねぇ、先生。


「…ならいいけど、無理すんなよ」

「うん、ありがと」

どうせこのフォークダンスで全競技が終わるし、立っていられないほど気分が悪いわけじゃない。

家に帰ってゆっくり休めば大丈夫。


「シロ、さっきどこにいたの?」

「さっきって?」

「借り物競争のとき。」

「あー、怪我したから救護テントに行ってた。何で?」

救護テントは見たはずなのに、シロに気づけなかった。先に先生が目に入ってしまったから。

「つーか、何て書いてあったの?」

「リレー選手。」

シロのこと探したんだよ。


「俺のこと探してた?」

「うん、探した。」

「…そ、ごめん。」

探した、と言うと少し照れてそっぽを向くシロ。嬉しかったのかもしれない。ちょっと頬が緩んでるのが見えた。

ほんとに、ちゃんとシロのことを探せばよかったな、なんて今さら思う。

「お、入場だって。」