「何でそんなこと聞くわけ?」

「いや、何となく。」

ただ、普通の男子高校生よりも多く告白されてるはずなのに、どうして咲良じゃなきゃダメなのか気になっただけ。

…だったけど、その理由も何となく分かった気がした。


「…もしかしてさ、加地も咲良のこと…」

「…何。」

ペアになって分かったけど、咲良は知れば知るほどハマっていってしまう、厄介な女だと思う。

厄介って言い方は悪いけど、ほんとに中毒性があるような。そんな魅力があるやつだと思った。

容姿はその辺の女よりいいから、白城もそれで気に入ってんだと思ってた。


「お前も、咲良のこと好き?」

でも違った。そりゃ、第一印象は容姿だろうけど、白城はそれで咲良を好きになったんじゃない。

コロコロ変わる表情とか、仕草とか、言葉とか、そういうところに惹かれて。一度落ちたら抜け出せないんだ。


「人として普通に好きだけど。」

「…え、それどういう意味?」

「そのままの意味。」