「中村先生なら職員会議行ったよ」
入ってきたのは笑顔のビターさん。
……ビターさんっていうか、篠原先生なんだけど。
「え…っと、篠原先生、何で……」
「咲良さんを手伝うように言われたんだ、中村先生に」
「でも先生、職員会議は…?」
話したことなかった。
こんな風に関わることが出来るだなんて、思ってもみなかった。
だって、ビターさんはお客さんであたしはコンビニ店員だもん。
だから、心臓は今まで以上に強く早く波打ってるし、顔だって赤い気がする。
「俺は副担だし、美術の教師だからね。今日くらい出なくても大丈夫」
ふにゃんと笑う。
「篠原先生って美術の教師なんですか?」
「うん。あれ、今日新任教師の挨拶のときに言ったはずなんだけど」
……聞いてなかった。