ねぇ、先生。


梨花がいると思ったから残ったのに、まさかのバイトだし。

ならばと思ってシロに頼んでみたら、シロまでバイトだという。

新学期早々頼める友達はまだ出来てないから、1人でポツンと教室に残ってる。

…何でよりによって今日あたしバイトないの。ほんとに、何で。


待ってろって言ったからには、中村さんは誰かを連れてくるつもりなんだろう。

手伝ってくれるなら誰でもいい。


早く帰りたいから、プリントを手にとって冊子を作っていく。

これを40個なんて、1人でやらせようとした中村さんは鬼だ。


―ガラッ…


「もー中村さん……」

多すぎだよ、なんて文句を行ってやろうと振り返った。

言葉が出なかった。