ねぇ、先生。


中村さんはこれからの予定のことや明日からの授業の説明をする。

ダルそうな話し方はこの学校に来たときから何も変わらない。

体育教師がそんなんでいいのか。


「あ、学級委員決めねーとな。」

思い出したように呟いたあと、クラスをグルリと見渡す。

勝手に決める気か、なんて思った矢先、中村さんとバッチリ目があった。

…やば、これは…


「咲良、お前今目が合ったから学級委員な。よろしく。」

「えー……」

ほら、中村さんめんどくさいの嫌いだから、こうやって適当に…


「茉央がやるならあたしもやります!」

梨花がビシッと手を上げる。

「おぉ、そうか。じゃあよろしく高橋。」

ニコニコ笑う梨花は嫌々手を上げたわけじゃなさそうだからよかった。

あたしのために上げてくれたんだ。