だって、どうせ関わるのはあの中でも数人だけなんだから。

ずっと話を聞いてばかりだったから、眠くなってきて俯く。

昨日もバイトだったから、寝たのは日付が変わった後だった。眠いに決まってるでしょ。


緊張した声で自己紹介していく教師たち。

悪いけどあたしは、誰一人の名前も覚えてないんだよ。

ウトウトとし始めて、少しならいいかと目を閉じたときだった。


「初めまして。」


聞こえた瞬間顔を上げる。

聞き間違いかと思った。

緊張した声は、あたしがいつか聞いたものとよく似ていた。

…そう、あれだ…


″ありがとう″

あのときの、あの声。