「…何で2本?」

オレンジジュースを指差して、半分分かったような顔で聞いてくる。

「……これは、その…差し入れ」

「俺に?」

「違います」


あの日からそんなに日は経ってない。

バイトが忙しくて中々行けなかったから、あそこに行くのは少しだけ久しぶりな気がした。

…先生には毎日会ってるけど。


「お前やっぱり分かりやすいよな。気をつけろよ、バレるぞ。」

中村さんってやっぱり鋭い。

「ね、やっぱり反対しないの?」

ポケットから小銭を出して自販機にお金を入れると、コーヒーのボタンを押した。


「…それホットだよ」

「は?うわ、最悪。暑いのにいらねぇよこんなの。」

…中村さん動揺してるのかな?

いつもだったらこんなミスしないのに。


「…お前さ、篠原先生と初めて会ったのここじゃないんだろ?」

「そうだけど、何で知ってるの?」

確かにコンビニだけど。