――――――
―――――――…

校歌を歌ったり校長先生の話を聞いたり、始業式は着々と進んでいく。

残るは新任教師の紹介と、それぞれのクラスの担任の発表。

１組から順に発表されていって、ついにあたしのクラス。


｢あ……｣

思わず漏れた声。

あたしのクラスの前に立ったスーツの男。


｢３組の担任の中村剛です。｣

ナカムラツヨシ。

さっきあたしと話した中村さんだ。

やったね、中村さんが担任なんて。


｢なぁ咲良、中村さんが担任とか俺らラッキーだな。｣

｢あ、やっぱシロも思う？｣

あたしの後ろに座ってるシロは、中村さんを指差して笑ってる。

そんなシロを見た中村さんは、まだ新学期が始まったばかりなのに疲れたようにため息をついた。

さっきは言わなかったくせに、きっとあたしの担任だって知ってたよね。