まだまだ若い体育教師の中村さんは、あたしたちが入学したのと同時にこの学校に来た。

それから2年間ずっと、あたしの体育の授業を受け持ってる。

今年もだったりして。


「中村さん、あたしの担任になってよ」

「バカかお前、俺にそんなこと決める権限はねぇよ。さっさと体育館に入れ」

中村さんが担任だったら絶対楽しい。

でもまぁ、言われてみたらそうだよね。中村さんにそれを決めることはできない。


体育館に入るとまだガヤガヤしてて、どこに並べばいいのか分からなかった。

「自由に並んでも良さそうだね」

「うん、そうみたい。」

ジワジワと増えていく生徒。

人混みに押し込まれて気分が悪くなりそうだった。

…早く終わらないかな。

新任教師なんて興味ない。

若干イライラしながらも、前を歩く梨花の後を必死に追った。