桜舞う、新学期。
温かい、春の陽気が気持ちよくて、瞼が重くなる……はずもなくて。
「また、同じクラスだなー!蒼井!」
「山吹……」
俺の眠りを妨げたのは、山吹色の髪の幼馴染、山吹陸。
山吹は、俺の前の席に座り、にやっと笑う。
ああ、また、くだらねーことを考えたんだな。
「俺達もう、高校2年生だな~」
ぷにぷにと、頬をつつく山吹に若干イラつくが、表情を変えないで、「そうだな
」と言っておく。
その言葉を待っていたのか、今度は肩をがしっと掴まれる。
そして、きらきらした目と男にしては高い声で言った。
「青春してみたいと思わんかね!?」