いじわるな山内くん













「好き。佐々木のこと好きだよ。」

そう言うと井上は

ホッとした顔をした。

「遊びじゃなかったからよかった。

でも知ってるの?

真奈美、日曜日に

鈴木くんとデートするんだよ。」


とっくに知ってる。

直接言ってきたから。

「あぁ。」

「山内くんはなにもしなくていいの?」

「…」

俺がなにかしたって

鈴木のこと好きになるじゃん…。

俺がなにも言わないでいると

井上は眉間にシワがよっていた。

チッ

え!?舌打ち!?

「山内くんって意外に臆病なんだね。

なんか残念だわ。」

俺は臆病じゃねえし。

「山内くんがなにもしないなら

絶対真奈美は鈴木くんにいくから。」

「そうだな。」

すると井上は

「あーいらつくっ!

山内くんは真奈美と付き合いたくないの!?」

「…付き合いたいに決まってるじゃん」

好きなんだから当たり前だろ…?