いじわるな山内くん












でもあいつは違った。


「山内くん。よろしくね。」


頬を赤くしないで

にこっとした。


「なんの本読んでんの?」

「私もその作家さん好きなの!」

「山内くん、おはよう。」





最初はそんな話しかしなかった。

だけど

井上と話しているときの

笑っている顔、困ったときの顔、

佐々木の全てを知りたいと思った。







たぶん、この頃から好きになっていたのかもしれない。