人気といってもまだ若手だから通勤は専ら電車だ




電車でも逆に堂々としてたら、結構バレないものだ




電車を降りて家までの道中、女性が俺に近づいて来た




凄く華奢だけど、どこかしっかりしていて、さらさらした髪の毛をなびかせながら駆け寄ってきた




ファンだろうと思い立ち止まると、彼女は俺に問いかけた




「あの、この辺にコンビニってどこにありますか?」




ああ、道を聞きたかったのね




「そこの道をまっすぐ行って・・・」




と俺は説明したが、彼女は困ったような顔をしていた




「夜も遅いですし、コンビニまで一緒に行きましょうか?」




「いいんですか?」




「はい」




「ありがとうございます」




そう言って俺たちは近くのコンビニに向かった