「美咲、真面目に聞いて」


そう言って、圭太はテーブルの上に置いている私の手をそっと握る。


「高校生の頃、俺、美咲の事ずっと好きだったんだ」


突然の告白に、私は驚き、固まる。


「そりゃ、高校卒業してから、何人か付き合ったりもした。今日、美咲と会うまで、美咲の事は“高校の頃の思い出”だった。美咲とのお見合いの話を聞いて、俺は嬉しかった。好きだった人に会える事に。だけど、美咲と会って話して、“美咲の事、やっぱり好きだな”って思った」


私も圭太の事が好きだったし、会えた事も嬉しかった。

正直、昔好きだった人から“好き”だと言われて嬉しい。

だけど……


「そんな事言われても困るよ」


今さら、そんな事を言われても困る。

私も気持ちを伝えなかったけど……

でも、それなら、高校生の頃に言って欲しかった。