保健室の甘い時間

「ここ昼間の方が、景色いいんだけどな。暗くなると景色見れないし」


そう言いながら、圭太は笑う。


私は圭太の言葉に、目の前に広がる海を見る。

夏だから18時過ぎの今でもまだそんなに暗くはなっていない。


「でも、まだ明るいから景色楽しみながら食事出来るね」


私は圭太を見ながら自然と笑顔になる。


「美咲、高校生の時、『ここに来てみたい』って言ってただろ?」

「覚えてたの?」

「帰り道、女友達とよく話してたじゃん」


好きだった人が、もう何年も前のちょっとした話を覚えていてくれて、しかも、それを叶えてくれた事をすごく嬉しく思う。


そんな事を思っていると、料理が運ばれてくる。

そして、私達は会話と食事を楽しむ。