「ねぇ、本当にいいの?」

「何が?」

「昨日、家でご飯作ってくれるって言っていたけど。本当にいいのかな、って……」

「うん。だって、今日、吉岡先生の誕生日なのに、私、何もしてあげられていないし……」


そう言いながら、私は吉岡先生から視線を逸らす。


「そんな事、気にしなくていいって。それに、俺は、今日、こうして美咲さんと一緒に居られただけで嬉しいから」


吉岡先生は私の手を力強く握る。


「美咲さん、昨日さ、『心の準備が……』って言っていたけど。今日、家に来たら、美咲さんに触れないで、美咲さんを家に帰す自信ないよ?それでもいいの?」


吉岡先生の方を見ると、吉岡先生は熱っぽい視線で私を見つめている。

その視線に、私の顔は赤くなり、心臓もドキドキと早くなる。