保健室の甘い時間

その表情に私はやっぱり少し不安になる。

何を言われるか、ドキドキしながら待っていると


「美咲さんから、キスして欲しいな」

「えっ?」


吉岡先生の言葉に、私の顔はまた赤くなる。


「キスするの、いつも俺からでしょ?だからさ、たまには美咲さんから俺を求めて欲しい」


まっすぐ私を見つめる吉岡先生。


“無理”なんて、言えない雰囲気。


「わ、わかった……」


私は覚悟を決め、吉岡先生の方に向き、ベッドの上に正座をする。


いい年した女がキスするくらいで、こんな緊張しなくてもいいのに。

頭ではそう思うのに。

私は今、すごく緊張している。


「……お願い。目、瞑って」


そう言うと、吉岡先生は目を瞑ってくれる。

そして、私は少しずつ、吉岡先生に近付く。

今、私の心臓は吉岡先生に聞こえるんじゃないかってくらい煩く動いている。