保健室の甘い時間

「“呼び方なんて”って思うかもしれないけど。まぁ、それだけじゃないけど。美咲さんと永井先生の距離は近い感じがするのに、美咲さんと俺の距離は遠く感じる。俺はもっと美咲さんと近付きたい」


吉岡先生は真剣な目で、私を見つめる。


諒ちゃんは友達。

だから、気にしなくてもいいのに……

そう私は思うけど、吉岡先生は気になるんだよね。


「……か……か、ずお……」


だから、私は頑張ってみたのだけど


「や、やっぱり恥ずかしい」


顔を真っ赤にし、身体ごと背ける。


「わかった、わかった。じゃぁ、それは、ゆっくり慣れていってね?」


吉岡先生は私の頭を優しく撫でる。

そして、私の肩を掴むと、自分の方へ向かす。


「じゃぁ、もう一つのお願いは聞いてね?」


そう言うと、にやっと悪戯っ子のように笑う。