保健室の甘い時間

「知らなくても仕方ないじゃん。付き合ったのは最近なんだし。それに、同僚だからって、普通、誕生日まで知らないでしょ。でも……」


吉岡先生は身体を私の方に向け、ベッドの上で胡座をかく。


「まぁ、俺の誕生日を知らなかった事を聞いて、ショックじゃないって言えば嘘になるけど」


吉岡先生は、しゅんとした表情になり俯く。


「ご、ごめんなさい」


慌てて謝る私に


「じゃぁさ、お願い聞いてくれる?」


顔を上げ、今度は甘えた表情で私を見る。


「う、うん」


お願いって何だろう

そう思いながら、私は頷く。


すると、吉岡先生は顔を上げ、にやっと笑う。

その表情に、何をお願いされるのかちょっと不安になる。


「まず、一つ目……」

「一つ目?」


いくつあるの!?

でも、誕生日を知らなかったのは私だし。

それに、私が出来る事なら、してあげたい。