保健室の甘い時間

「ごめん。怒っていたわけじゃないんだ。まぁ、“お見合いの断りを入れていない”って事にはちょっとムカついたけど。

でも、さっきも言ったけど……。もし、美咲さんがお見合い相手の事を気に入って、そのお見合い相手の事を好きになったら……。そう思ったら不安でさ。それに……、美咲さん、思っている事を俺にはっきり言ってくれないし」

「えっ?」

「お昼休み、生徒達がここに来た時、何か言いたげに俺の事見ていたでしょ?」


あっ……

吉岡先生の誕生日を知らなかった事も言わなきゃ……


「俺が年下だから、何も言ってくれないのかな?これが永井先生なら美咲さんは何でも話すのかな?って……。そう思ったらあんな態度になってしまったんだ。ごめんね」

「って、だから何でいつも永井先生が出てくるのよ」

「だって、二人、仲良いから……」


吉岡先生は拗ねたよう言うと、ふいっと顔を逸らす。