そして、私の側まで来たかと思うと、私の腕を掴み、ベッドの方へ連れて行く。

ベッドの上に私を座らせ、その隣に吉岡先生は座る。


「椅子に座るより、こっちの方が美咲さんを近くに感じられるから」


そう言い、吉岡先生は笑顔を見せる。

が、どこかその表情は強張っているようにも見える。

お昼休み前、機嫌が悪くなった吉岡先生。

今のその表情からは、機嫌が直っているのか、どうなのか、読み取る事が出来ない。

だけど、お見合いをちゃんと断った事を伝えなきゃ。


「あ、あのね……。お見合い、ちゃんと断ったから」


私は吉岡先生のシャツを掴みながら、俯く。

すると


「よかったー」


そう言って、吉岡先生は私を抱きしめる。